ロボプラ:スカーミッシュ RC2版 変更点 - undefined


昨年、RC版にアップデートを行い、いろいろな方にプレイしてもらえる状態になったことで、ルールの不備などが見えてきました。
次のバージョンは正式版にする予定だったのですが、影響の大きい変更を伴う改善が必要になったためRC2版にアップデートしました。

今回はRC2版での主な変更箇所を紹介したいと思います。

RC版での課題

  • 高機動格闘特化機体が強すぎた
  • 低コスト武器と高コスト武器の差が大きすぎた
  • 自律兵器(ファンネル、ビット、インコム、ドローンなど)のルールがなかった
  • あまり意味をなしていないルールや、忘れがちなルールがあった
  • 障害物による射撃補正が判断しにくい
  • ゲームへの影響が薄いデータがあった
  • バトルロイヤルにしか対応していなかった
  • 気を付けていたつもりだったが暗黙の理解を求める部分が多く見つかった
  • (改定内容が管理しにくかった)

RC2版での変更点

RC2版ではルールやデータなど広範に修正が入っています。

高機動格闘特化機体の弱体化

こちらはテストプレイでも、プレイしていただいた方の声としても上がっていた点で、RC版最大の欠陥だったと思います。

高機動格闘特化機体は移動値格闘値を高くしますが、この二つを上げることで射撃回避格闘防御が上がり被ダメージが下がりつつ、移動値が高いから距離を取りにくく、格闘判定で【大成功】による3倍ダメージも期待できることで、攻撃、防御、移動距離のすべてを高くすることができてしまいました。
さらに機体特徴のエース機体を付与して、低コストな近接武器を2つ持たせるとさらに強く、ほぼ弱点もない機体ができてしまっていました。

『ロボプラ:スカーミッシュ』がターゲットとしているプレイヤーは勝ちにこだわるような遊び方をする人はあまり多くない想定をしていますが、明らかに強い機体ができてしまうのは望ましくないと考えています。

今回RC2版では格闘判定【大成功】時のダメージ量を射撃と同じ2倍ダメージに低減し、能力値強化の上限を+4までに制限しています[1]

低コスト武器と高コスト武器の差を若干縮小

一方で、ゲームが長引くこと自体は望ましくないので、低コスト武器を中心に攻撃力を上方修正しています。

射撃武器では低コスト武器が高コスト武器に対して、敵ユニット撃墜までの必要攻撃回数が多すぎました。

一方、近接武器では【大成功】が出やすかったことにより、高コスト武器を選ぶ理由が薄かったです。【大成功】ダメージの弱体化と合わせて調整しています。

バランス調整として

  • 低コスト射撃武器の強化
  • 近接武器全般の強化
    • 高コスト近接武器はより強く強化

といった修正を行っています。

自律兵器(ファンネルとか)を使えるようにルール追加

RC2版更新の目玉の一つですが、事前からの宣言通りファンネルが使えるようになります。

位置づけとしては簡易的なユニットを追加できるようなイメージで設計しています。当初はよりニュータイプ能力っぽく、カードの絵柄当て[2]により効果の強弱が決まる、みたいなルールも考えましたが、煩雑になりそうなのでユニットと同様のルールで扱えるようにしています。

ちなみに『ロボプラ:スカーミッシュ』内での用語としてはまだ悩んでいるので、関連ルールの用語の表記は変更される可能性があります。

あまり意味をなしていないルールや、忘れがちなルールの削除

具体的には障害物のラフグラウンド(荒地) のルールと、射撃回避時にぴったり【成功】だと1/2ダメージのルールを削除しました。

ラフグラウンドはホバリングのように1cmだけ垂直に移動してから移動するとほぼ意味をなさないという状況を何とかしようと思いましたが、垂直移動量に制限をかけるのも煩雑だったのと、フィールド上の表現が難しかったので削除しました。

射撃回避がぴったり【成功】だと1/2ダメージを受けるのは、このルールにだけいわゆる成功度の概念を導入してしまっているのと、格闘攻撃の【大成功】3倍ダメージの対となるように設定していましたが、忘れられがちだったのと3倍ダメージを廃止したので、こちらのルールも削除することにしました。

障害物による射撃補正をシンプルに変更

RC版では

  • 半分程度隠れている
  • 一部を残して隠れている
  • すべて隠れている=見えていない

の3つでしたが、半分程度一部を残しての判断で悩むことがよくありました。
RC2版ではより判断しやすく

  • 半分以上隠れている
  • すべて隠れている=見えていない

に集約しました。

ゲームへの影響が薄いデータを見直し

何度かテストプレイを繰り返しているとショットガン拡散ビーム砲といった短射程で命中しやすい武器がほとんど使われていませんでした。
射程がほぼ近接武器と同じことから、差別化のために射程距離を10cm上方修正しました。

他にももっと使われると想定していた武器特徴の爆発武器があまり使われていなかったので再検討したところ、効果に対してコストが高すぎるように思えたので、コストダウンと効果も調整しています。

他に機体特徴の狙撃も効果を見直しています。自他の行動判定に影響が出ると煩雑であることと、狙撃に期待していることは射撃判定時の【大成功】確率の上昇[3]だと思うので、そちらの方向に特化させました。

今回修正できていないのですが、機体特徴のブースターについても上方修正を検討しています。ブースターの利点としては途中で設置させることなく2倍の距離を移動できることですが、これに対して1ポイントのコストというのは高すぎる気がするので何かしらの上方修正を行いたいと考えています。

バトルロイヤル以外のルールを追加(し始めた)

イベントなどで『ロボプラ:スカーミッシュ』の説明をしていたり、テストプレイ時のやりとりにて、バトルロイヤル方式以外の需要が見えてきました。

RC2版ではプレイヤー2人同士のチームバトルを行う場合のルールを追加しました。

また正式版までに1人対複数人の非対称戦、レイドバトルのようなものを検討しています。
こちらは1人側が20ポイントよりも大きなポイント数と、このルール専用の機体特徴や武器特徴などを選択できるようにしようと考えています。

暗黙の理解を求める記述を修正

今回、ルールブックを改めて読み返していると、暗黙で理解を求めているような部分[4]が多く見つかりました。これらについてはページ数が増えたとしても明示的な説明に置き換えています。

これらはRC2版でも排しきれていないと思うので、正式版までにさらに明瞭な内容に改善していきたいと思います。

原稿をRe:VIEW形式に変更し、git管理にすることで改定の管理をしやすくした

こちらは内部側の話になりますが、RC2版に更新するにあたって組版システムを変更しました。今まではAffinity Publisherを利用していましたが、RC2版からはRe:VIEWというシステムを利用しています。Re:VIEWではテキストファイル形式で原稿が管理されるので、gitを用いることで変更箇所の把握がしやすくなりました。

正式版に向けた予定

RC2版から正式版にアップデートする際の変更点として、現在以下のような内容を検討しています。

構成見直し

RC2版への更新でルールブックのページ数が増加しています。ゲーム初心者にとってはとっつきにくい感じになっていそうなので、現在の構成から「最低限のゲームプレイ可能なルール→追加ルール」という順序で読めるように構成の見直しを行おうと思っています。

ルールリファレンスの追加

こちらもルール本文が多くなってしまったので、プレイ中に都度ルールブックを開かなくても済むようルールリファレンスを用意しようと思います。

サンプル部隊/ユニットの整備

部隊編成のルール自体はそれほど複雑ではないものの、完成形のイメージがないとわかりにくいものと思います。そのため、ルール理解の助けになるようサンプル部隊を収録しようと思っています。

また、お試しで遊ぶ場合に部隊編成の時間をショートカットして、遊べるようある程度選べる量のサンプル部隊を用意するつもりです。トレーディングカードゲームにおける構築済みデッキのようなものです。

スターターキットの用意

20面ダイスやテープメジャーなど、ゲームに必要なものをすべて含み、さらにスモークテレインや、状態管理用のオリジナルトークンを含んだスターターキットというかDX版のようなものを用意しようと思っています。


『ロボプラ:スカーミッシュ RC2版』については以上になります。正式版も来年には公開したいと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。

プレイされた感想が制作の励みになります。もし遊んでいただけたなら、プレイの様子などをハッシュタグ#ロボプラスカーミッシュで投稿していただけると、とてもうれしいです。


  1. RC版では能力値上限がなかったため、格闘値を22くらいまで上げることで、【大成功】3倍ダメージの確率を35%まで上げることができ、約1/3の高確率で3倍ダメージとなっていました。これは1コストのハンドウェポンでも21ダメージとなり、通常の機体を一撃で撃墜、耐久値を上げた機体でも2回でほぼ確実に撃墜するダメージとなります。 ↩︎

  2. いわゆるESPテストカードみたいなやつです。 ↩︎

  3. 通常の【成功】2回でも合計ダメージは同じですが、【大成功】であれば回避判定が自動的に失敗するので、移動値を高くしている高機動機体への対策になります。 ↩︎

  4. 効果の重複についてや、【大成功】時のダメージ補正と武器特徴などによるダメージ補正の適用順序など。 ↩︎


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