ガンプラで遊ぶボードゲーム更新 - undefined
ガンプラや30MMで遊ぶミニチュアゲーム『ロボプラ:スカーミッシュ』も改訂を重ねてついにRC版(正式版1歩手前)まで到達しました。
今回はRC版での主な変更箇所と、テストプレイの様子を紹介したいと思います。
『ロボプラ:スカーミッシュ』のルール概要
- 各プレイヤーがロボットプラモデル(ユニット)を1〜3体持ち寄る
- 持ち寄ったユニットで部隊を編成
- 他に用意するのは20面ダイスやメジャー
- 編成した部隊で対戦するミニチュアゲーム
- テーブル上にフィールドをつくって、ユニットを動かして遊ぶ
- 攻撃可能な距離かどうかも実際に測って判定
- (対戦以外のルールも追加していきたい)
- 各部隊は20ポイントを1〜3機に割り振って能力を決める
- 能力値は移動値、射撃値、格闘値、耐久値の4つ
- 移動値は一度に移動できる距離や回避に影響
- 射撃値は射撃攻撃の成否に影響
- 格闘値は格闘攻撃や格闘防御の成否に影響
- 耐久値はどれだけダメージを耐えられるかを表す
- その他、武器や機体の特殊能力などもポイントで取得
- 能力値は移動値、射撃値、格闘値、耐久値の4つ
- 行動の成否は20面ダイス(D20)で目標値以下で成功(下方ロール)
- 目標値は対応する能力を元に決められる
- 1は大成功で自動成功(クリティカル)
- 20は大失敗で自動失敗(ファンブル)
- 各プレイヤーは1体ずつユニットを行動させて手番を交代していく
- 他プレイヤーのユニットを全て行動不能にしたら勝利
ベータ版の課題とRC版での主な変更箇所
これまでの制作記録は以下の記事もご参考ください。
去年2020年に公開したベータ版での最大の課題には
- 攻撃失敗が多く、回避率も高すぎて撃ち合いがだれる
- お互いに良いポジションを押さえたら動かず撃ち合うだけで戦略性がない
という難点がありました。
これに対して、全体的に判定周りのルールを見直し、
- 命中判定方法の修正
- 障害物による命中補正を強化
- スモークグレネードを追加
- 武器に最短射程を追加
- バトルロイヤルFPS風のルール追加
という方向で修正を行いました。
命中判定方法の修正・障害物による命中補正を強化
この変更により、隠れている相手には命中しにくく、回り込むことで確実に命中させることができるようになるため、お互いに積極的に位置取り変えていくことを促しています。
具体的には以前のベータ版では射撃や格闘の能力値のデフォルト値が10で、D20で能力値以下(つまりデフォルト50%) で攻撃成功としていたものをデフォルト値を16とすることで80%で成功することを基準としました。
回避も同様に能力値の半分以下(25%) で回避成功としていましたが、能力値-12(20%) で回避成功に変更しました。「半分」から「-12」にしたため、能力値上昇に伴う回避率向上の幅は大きくなり高機動機体を作りやすくしています。
障害物による命中補正は隠れ具合によって2段階ありますが、それぞれ効果を2倍にして命中率が-10%, -20%としました。
※確率はすべてデフォルトの能力値だった場合の確率
スモークグレネードを追加
視線を遮る障害物であるスモークを発生させるスモークグレネードを追加することで、スモークに隠れながら接近する近距離型の機体が立ち回りやすくなっています。これにより足を止めて撃ち続けることが難しくなりました。
ちなみにスモークは射撃時の視線を遮りますが、『ロボプラスカーミッシュ』では格闘時は視線が通っていることを必要としない(建物などの障害物がなければ敵機が見えてなくても攻撃可能)ため、強力な格闘支援武器になっています。
武器に最短射程を追加
射撃武器の射程にも最短射程を設けることで敵機と同じ武器でなければ移動を強要されるようになり、各武器1ラウンド1回のみ使用可能という制限をつけることでヒット&アウェイの動きが入るようになり、課題となっていたゲーム中盤以降の膠着やダレる感じが解消されました。
バトルロイヤルFPS風のルール追加
オプションルールではありますが昨今のバトルロイヤル系FPSのようにフィールド自体を段階的に狭めるルールを用意し強制的に移動を促す方法も用意しています。
テストプレイの様子
バトルレポートというほど細かく写真を撮っていなかったので途中途中シチュエーションが飛んでいますが、ご了承ください。1戦あたりだいたい30分くらいで決着がついています。
1戦目
私(MooMoo-ya、クマの方) vs 会社後輩氏
先輩権限でテストプレイに駆り出しました。ちなみに会社後輩氏はたまにボドゲをやる程度で、ミニチュアゲームは初めてです。
フィールドの初期状態はこんな感じ。
本来であればもう少し障害物が多いと良いのですが、最低限初期位置同士は視線が通っていない状態(障害物で射撃できない状態)にしておきます。
お互いの使用するユニットは以下のような感じです。
詳細なルールをまだ公開していないので細かいところは雰囲気で読んでください。
- 私(MooMoo-ya)
- 手前側
- 中遠距離射撃型
- 観測機(観測レーダー付き)
- このユニットから見えている敵機に対しては、他の味方から見えていなくても攻撃可能という特徴を持つ
- 大口径ライフル装備
- 射程範囲 20〜90cm
- 攻撃力 10
- 奥側
- 砲撃機
- 榴弾砲装備
- 射程範囲 30〜120cm
- 攻撃力 10
- 障害物に隠れていても命中判定に補正を受けない
- つまりは観測手がいれば障害物越しで見えていなくても通常通り攻撃可能
- 近接武器も護身用に装備
- 射程範囲 0〜15cm
- 攻撃力 7
- 手前側
- 会社後輩氏
- 左側
- 遠距離射撃特化型スナイパー機
- 最大火力のビームキャノン持ち
- 標準機体の耐久値が20に対して攻撃力14を誇る
- 射程距離 30〜120cm
- 移動値と耐久値は低め
- 右側
- バランス型機体
- ビームライフル装備
- 射程範囲 20〜90cm
- 攻撃力 7
- 中距離での射撃戦中心
- 左側
ゲームはスタートプレイヤーから1機ずつ操作して手番を交代していきます。
会社後輩氏のスナイパー機が障害物に隠れたので、私は観測機をビルの上に上昇させ、スナイパー機を砲撃機で攻撃可能にします。スナイパー機に榴弾砲で耐久値の半分の10ダメージ。
ダメージを受けつつも会社後輩氏側のユニットからは観測機が丸見えです。
バランス機体のビームライフル(攻撃力7)で耐久値の1/3以上(観測機の耐久値は20)を削られ、さらにスナイパー機の高火力ビームキャノン(攻撃力14)でトドメをさされました。
スナイパー機はそのまま前方の障害物に移動していきます。
その後、砲撃機がスナイパー機との撃ち合いの結果、ダメージを受けつつも撃破します。しかし、会社後輩氏のバランス機体も接近しており、ここまで近づかれると榴弾砲の射程範囲(30cm以上離れる必要がある)に収めることができないので、障害物に隠れて近接戦闘を仕掛ける準備。
だったのですが、それを警戒した会社後輩氏は近接攻撃が届かず、ビームライフルの最短射程である20cmの位置に移動し射撃。
これで次の私の手番でヒット&アウェイ(近接攻撃→移動)の計画は崩されました。
やられたかと思ったのですが、回避判定の出目(白いダイス)は「1」。回避判定大成功でダメージは受けません。
延命は図れたものの距離をとっての撃ち合いの結果、削り切られて撃破されました。
観測機を前に出しすぎてしまい、障害物の陰から攻撃できる砲撃機を活かせなかったのが敗因ですね……。
会社後輩氏の勝利。
2戦目
私(MooMoo-ya) vs 会社後輩氏 vs AHA(ペンギンの方)
気を取り直して2戦目です。今回はAHA(カラーコードかるた作者)も加えて3人対戦。
今回の参戦ユニットは以下のような感じ。
- 私
- センサー付き飛行機体
- 中距離支援機
- スモークグレネード搭載
- 任意の場所に視線を遮るスモークを生み出すスナイパー対策機
- キャタピラ機体
- 遠距離射撃型
- 爆発武器搭載
- 着弾地点の周辺にもダメージを与える
- ジム
- 近距離型
- ビームサーベルとビームスプレーガン装備
- 近距離なら最大2回攻撃可能
- センサー付き飛行機体
- 会社後輩氏
- スナイパー機
- 引き続き高火力なビームキャノン装備
- バランス機
- 中距離型
- ビームライフル装備
- 格闘機
- 高機動型近接格闘機
- 二刀流で最大2回攻撃可能
- スナイパー機
- AHA
- ネコミミ付きハロ
- 近距離格闘特化型
- 大型格闘武器装備
- 攻撃力14
- ネコミミ付きハロ
初期配置の写真は撮り忘れていたので途中からですが、スモーク[1]を展開して射線を遮りながら展開していきます。
格闘特化のネコミミハロは会社後輩氏のユニットを狙っていくようです。その隙をみて手前の砲撃機でハロに一撃入れておきました。
さらに追加でスモークを張ったので遠距離からスナイパー機に一方的にやられることはないはず……と思っていたのですが、回り込まれた格闘機からの攻撃と、スモークから飛び出していた飛行機体の頭部を狙ったスナイパー機の攻撃で飛行機体が撃破されました。
そして、なんとハロが大暴れする前に二刀流の近距離格闘機に墜とされます。砲撃機でちょっかい出してはいたけど、お前耐久値上げてなかったんか……?
もう少し削りあってくれる想定だったのでなかなか焦ります。
さらにスモーク越しに格闘機にジムがやられてしまいます。
スモークは射撃は遮りますが、格闘攻撃は遮ってくれません。ジムも近距離型で格闘もできるようにしていましたが、相手が格闘特化できてしまったので相性が悪かった……。
砲撃機で距離をとりつつ、障害物に隠れながら射撃を加えていきますが、こちらから撃てるということは相手からも撃てるということで、お互い削り合います。
格闘機が機動性を活かして接近。
1対2では分が悪く、敢えなく撃沈。
前線を格闘機で荒らしながら、高所からの射撃支援という王道な戦術にハマってしまいました。
会社後輩氏の2連勝。
いかがでしたでしょうか。ゲームの雰囲気が多少なりとも伝わったでしょうか。
途中の各判定の記録は取っていなかったのですが、射撃で大成功判定が出て2倍ダメージが出たり、瀕死の状態で回避が成功したりと場の沸くシーンも多々あり、途中ダレることなくゲームが進行するようになりました。
2022/4/24のゲームマーケット2022春 2日目でルールの頒布も行いますが、その翌週までくらいにはPDFでの無料配布も行う予定なので、ぜひみなさま遊んでみてもらえると嬉しいです。
ご意見ご感想はTwitterにハッシュタグ #ロボプラスカーミッシュ をつけて投稿してもらえれば私が小躍りして喜びます。反響が強ければ正式版の発表が早くなるはず……。
テストプレイではスモークがずっと場に残っていますが、近接格闘機への支援効果が強すぎるとなり、RC版では「次のラウンドの終了時に取り除かれる」ことになりました。 ↩︎